(57)名前考-3
名前は、名前でも地名を考えてみよう。地名は、昨今の市町村合併で、失われたり、新しい名前になったりで、その歴史性が断絶するのではないかと思われる例が身近にもある。
地名は、先祖が意味を持って名付けたもので、無形化石と呼ぶことができる。
(41)百済と新羅 でも解説しているが、「あすか」の表記は、明日香であったり、飛鳥であったりする。天武期には、飛鳥、「非朝」と表記され、百済とは違うことを鮮明にしている。しかし、元々の「あすか」の地名は何を意味しているのだろう。
すか=古代朝鮮語で「村落」を意味する。それを、金達寿「日本の中の古代朝鮮」(p.201)に見つけて、他の地名にも当てはめてみた。
明日香=あ(吾)・すか。私の村。この地は、初期渡来人にとっては根拠地であり、天武
も、自分の出自を表す漢字に変えてそう呼びたかったのだろう。
春日=か(古代朝鮮語で、「大きい」)・すか。大きな村落。後に藤原氏所縁の地。藤原氏
は、巨大な政治勢力となる。
鈴鹿=す(洲)・すか。三角州の上にできた村。確かに扇状地上にある。
横須賀=横・すか。集落のあった所に隣接した小さな村。古代は、田舎だった。
私は、コリアンはわからないので、古語を当ててみるしかない。でもなんとか、意味は取れると思うのだが、どうだろう。今も残る地名だから、身近な化石の意味に納得!