(33)脱字とされるが、掛字・万葉仮名から平かなへ-4
秋萩帖のはじめ、二首の同じようにある脱字について解説したい。
ともに、一行目の一番下の文字が脱字とされる。私が臨書したのは、
下線部で、ともに文頭の掛字とみた。
①安幾破起乃之多者以
あきはきのしたはい
▢都久以末餘理處悲 「都」の左側部分が「路」にみえる。
つくいまよりそひ
東理安留悲東乃
とりあるひとの
以禰可轉仁数流
いねかてにする 古(220)
②奈幾和多留閑里能
なきわたるかりの
▢美當也於知都羅 「み・美」の下部が「な・名」にみえる。
みたやおちつら
武毛能毛布也登乃
むものもふやとの
者幾能有部能都由
はきのうへのつゆ 古(221)