貫之の心・私の元永本古今和歌集

一味違った古今集の解読を試みたものです。
抒情詩として読まれてきましたが、「掛詞」をキーワードに解読してみると、政治的敗者の叙事詩が現れてきました。その一部、かな序だけでも鑑賞していただけたらと思います。

2024年1月のブログ記事

  • (78)道長「この世をば…」を掛詞で読むと

    このよをは わかよとそおもふ もちつきの かけたることも なしとおもへは この歌は、道長の歌とされるが、実際は右大将実資が自分の日記(小右記)に書き残した歌で、1018年、11歳の後一条天皇に道長の三女威子(18歳)が中宮になり、一家三后を果たした祝いの宴で詠われた。道長自身は、日記にも残していな... 続きをみる

  • (77)「枯野(からの)」という高速船

    古今集の和歌を解読する中で、初めて出くわす単語だった。「枯野」。「からの」と読み記紀に「枯野・からの」の表記がある。 ①日本書紀応神天皇五年冬十月 伊豆国に命じて造らせた。長さ十丈の船ができた。 試しに海に浮かべると軽く浮かんで速く行くことは、走るようであった。 その船を名付けて枯野といった。 五... 続きをみる