貫之の心・私の元永本古今和歌集

一味違った古今集の解読を試みたものです。
抒情詩として読まれてきましたが、「掛詞」をキーワードに解読してみると、政治的敗者の叙事詩が現れてきました。その一部、かな序だけでも鑑賞していただけたらと思います。

2023年4月のブログ記事

  • (71)行平の怨念

    (884)あかなくに またきも月の かくるるか 山の端にけて 入れずもあらなむ 業平 「まだ満足もしていないのに、早くも月が隠れるのだろうか。山の稜線が逃げて入らないでほしい(惟喬親王もまだここにいてほしい)。」 長い詞書のある業平の歌。 解説は省くが、この歌で、業平は、「惟喬親王の弟惟条親王を殺... 続きをみる

  • (70)是忠親王は、皇位継承できず

    (867)むらさきの 一本ゆゑに むさしのの くさはみなから あはれとそみる 「紫草が一本あると言うだけで、武蔵野の草は、全部が上品に見えることよ。」 説明は省くが、もう一つの意味は、 「一品である故に、光孝天皇の長男是忠親王は、いたわしいことよ。彼の母班子女王は(宇多天皇の)悪口に忙しい。宇多は... 続きをみる