貫之の心・私の元永本古今和歌集

一味違った古今集の解読を試みたものです。
抒情詩として読まれてきましたが、「掛詞」をキーワードに解読してみると、政治的敗者の叙事詩が現れてきました。その一部、かな序だけでも鑑賞していただけたらと思います。

(74)「魏志倭人伝」の「以北」は「以比」?

岩波文庫「魏志倭人伝」を初めから読んで、最後に「隋書」に取り掛かり、ふと、奇妙なことに気がついた。「魏志倭人伝」で意味が取れない「以北」とされる「北」と「隋書」の「多利思比孤」の「比」が同じ形に見える。これは、読者一人ひとりが確認してほしいが、同じ漢字を使っている。そのように見える。


「魏志倭人伝」
①自女王国以北其戸数道里可得略載
→女王国より以北、その戸数、道里は得て略載すべきも…
②自女王国以北特置一大率検察諸国…
→女王国より以北に、特に一大率を置き、諸国を検察せしむ…


女王国、つまり、卑弥呼の影響を及ぼす国の北は、どこか?
意味が取れない。女王国は、北九州伊都国にあり、その北は
海で、国が存在するするほどの場所はない。


「隋書倭国伝」
開皇20年倭王 姓阿毎 字多利北(比)孤 号阿輩雞弥…
開皇20年、倭王の姓は、「阿毎」、字は、「宇多利北孤」、号は、…


「魏志倭人伝」に見た「北」を、ここでは、「比」としている。
字を「うたりほこ」とは読ませず、「うたりひこ」と呼んでいる。
字形は、同じ。
この「北」を「比」と仮に読しているとみると、魏志倭人伝はどう読めるか。


比=仲間、同類。
①女王国より、自前で(家臣によって)その戸数、道里の略載を得べきも…
②女王国より、自前で(家臣によって)特に一大率を置き…


つまり、一国たるものであれば、その国による計測、人物を出すべきだと
いう基本に乗って書いていると理解ができる。
計測単位も持っていない、距離を水行なん日などと表現する遅れた国を改めて、
忠告してばかにしている。


「卑弥呼」を含めて、原本から、読みを改めて見直すべきと感じている。

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